最新の海外進出補助金情報:2024年の注目ポイント
2024年は、海外進出を考える企業にとって重要な年となります。新たな政策や補助金制度が次々と導入され、企業の海外展開を強力にサポートする体制が整いつつあります。
しかし、補助金の情報は多岐にわたり、どのプログラムが自社に最適なのか、判断するのは容易でありません。そのため、最新の補助金情報や、注目すべきポイントを把握し、効果的に活用することが求められています。
この記事では、2024年に注目すべき海外進出関連の補助金情報を解説します。具体的な成功事例まで紹介します。海外進出を成功させるために、ぜひ参考にしてください。
目次
【2024年】海外進出関連の補助金とは?
補助金とは何か?助成金との違い
海外進出の際に活用できる資金援助には、補助金と助成金の2種類があります。これらはどちらも企業活動を支援するためのものであり、いくつかの違いがあります。
補助金
補助金は、公的機関が特定の目的に対して支給するもので、申請には厳しい審査があります。例えば、海外市場での新規事業や特定のプロジェクトに対して支給されることが多いです。
補助金は特定の活動や成果を求められるため、詳細な計画書の提出や進捗報告が必要となります。また、補助金は競争率が高く、限られた企業のみが受給できる場合が多いです。
助成金
一方、助成金は比較的要件が緩く、申請すれば受け取れる可能性が高いものが多いです。助成金は広範な用途に利用できる場合が多く、海外進出の初期費用や市場調査費用など、幅広い活動に対して支給されます。
助成金は、一定の条件を満たせば受給しやすいため、資金調達の一環として多くの企業が活用しています。
以下、2024年海外進出に関する補助金の最新動向について紹介します。
特許庁:中小企業海外展開支援事業
2024年、日本政府は中小企業の海外展開を支援するために、新しい補助金制度を導入しました。その中でも注目されているのが「中小企業海外展開支援事業」です。
この事業は、海外への事業展開を計画している中小企業等に対して、知的財産権の取得に関する費用を、補助することを目的としています。
事業の目的と内容
この補助金は、中小企業が海外市場での競争力を高めるため、
知的財産権取得を支援し、外国出願に要する費用の半額が補助されます。
経済のグローバル化が進む中、中小企業も海外市場に進出する機会が増えています。しかし、知的財産権は各国で独立しており、日本で取得した特許や商標は外国では効力がありません。
進出先での特許権や商標権の取得は、企業の技術力やブランドを守り、模倣被害を防ぐために必要です。また、商標等を他社に先取りされるリスクを回避するためにも、現地での知的財産権の取得が不可欠です。
しかし、外国出願費用など、海外での知的財産活動費は高額であり、資金に乏しい中小企業にとって大きな負担となります。そこで特許庁は、中小企業が戦略的に外国出願を行えるように支援を提供しています。
この補助金制度では、全国の中小企業支援センターが窓口となり、地域団体商標の外国出願や「ハーグ協定に基づく意匠の国際出願」も支援対象としています。
この支援により、中小企業は現地市場での権利保護を確保し、ビジネス展開をスムーズに進めることができます。補助金を活用して海外市場での競争力を高め、成功を目指しましょう。
出願手続
・特許出願:1法人(または1個人)あたり150万円
・実用新案登録出願・意匠登録出願・商標登録出願:1法人(または1個人)あたり60万円
・冒認対策商標出願:1法人(または1個人)あたり30万円
大学等の場合、1法人あたりの上限額はありません。
補助金を活用することで、企業は現地市場での権利保護を確立し、ビジネス展開を加速させることが可能となります。日本企業のグローバルな成長が促進され、国内経済の活性化にも寄与するでしょう。
ジェトロ:海外進出支援
出典元:ジェトロ
ジェトロとは
ジェトロ(Japan External Trade Organization、以下ジェトロ)は、日本の経済・社会の発展を目的として、貿易・投資促進と開発途上国研究を行う支援機関です。
ジェトロは国内外に広がる拠点と、豊富な知見を持つ専門家による調査・分析を通じて、日本企業に最新の海外ビジネス情報を提供しています。日本企業のグローバルな成長を支援しています。
主な活動内容
ジェトロは、日本企業の海外進出をサポートするために、多岐にわたるサービスを提供しています。具体的には、現地の投資制度情報や、ビジネスノウハウの提供、短期貸しオフィスの提供、専門アドバイザーによるコンサルティングサービスなどがあります。
これらのサービスは、特にビジネス立ち上げ時の、コストとリスクを軽減することを目的としています。また、ジェトロは国内外の政府機関や企業、研究機関とのネットワークを活用し、最新の市場動向や経済情報を提供しています。日本企業が海外市場での成功を目指す際の情報基盤を強化します。
中小企業海外展開支援プラットフォーム
ジェトロは、中小企業の海外ビジネス展開を支援するために「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」を設置しています。
このプラットフォームは、現地の知見やネットワークを持つコーディネーターが配置され、中小企業の課題解決を支援します。具体的には、現地のビジネス環境や市場動向の調査、現地企業とのマッチング、法規制に関するアドバイスなどを行います。
各プラットフォームは、アジア、北米、中南米、欧州、中東などの主要都市に設置されています。例えばインドのムンバイやチェンナイ、米国のニューヨーク、ドイツのデュッセルドルフ、アラブ首長国連邦のドバイなど、広範囲にわたる地域をカバーしています。日本企業は現地のリアルタイムな情報と支援を受けることができます。
海外進出補助金の活用法
ジェトロは、海外進出を目指す企業に対して、補助金の情報提供も行っています。例えば、中小企業海外展開支援事業助成金や、ジェトロが実施する海外進出補助金などがあります。これらの補助金を活用することで、企業は海外市場での活動をより効果的に進めることができます。
補助金の申請方法についても、ジェトロは詳細なガイドラインやアドバイスを提供しています。申請書の作成や必要な書類の準備、提出後のフォローアップまで、一連のプロセスをサポートすることで、企業が補助金をスムーズに活用できるよう支援します。
ジェトロによる海外進出支援事例
ジェトロは、日本企業の海外進出を支援するため、様々なサービスを提供しています。
以下、2つの企業事例を紹介します。
事例1
長野県の○○農機株式会社は、東南アジアへの製造拠点設立を目指しました。ジェトロ長野と相談し、ベトナムとミャンマーのビジネス環境を視察。また、ヤンゴンで現地法人設立のサポートを受け、税務や労務の専門家相談、知的財産保護対策も実施しました。結果として、現地法人設立を成功させ、グローバル人材の採用・育成に繋げました。
事例2
愛知県の○○フーズは、3年間で海外10店舗を目指しました。ジェトロの情報収集と専門家のハンズオン支援を受け、米国サンフランシスコで1号店を出店。法務や労務課題の解決に加え、現地の食文化に合わせたメニュー開発に成功し、2号店の出店計画も進行中です。
ジェトロの支援により、これらの企業は海外進出を実現し、成功への道を切り開きました。ジェトロは、日本企業の海外進出を総合的にサポートするため、幅広いサービスを提供しています。中小企業に対する支援は充実しており、現地のコーディネーターを通じてビジネスの成功を目指すことができます。
経済産業省:海外展開のための支援事業者活用促進事業
事業目的・概要
経済産業省は、国内市場の縮小に対応し、中小企業の海外展開を支援するための「海外展開のための支援事業者活用促進事業」を実施しています。
中小企業が新商品・サービスの開発、販路拡大、ブランディングなどに取り組む際に、必要な費用の一部を補助し、海外市場での新たな需要獲得を目指します。
事業の内容
この事業では、中小企業が海外展開を進める際に必要な費用について、以下のような補助を行います。
・補助上限:500万円(複数者による共同申請の場合は最大2,000万円)
・補助率:2/3以内(国内販路開拓計画の3年目の場合は1/2以内)
支援パートナーの活用
中小企業が事業を実施する際、現地マーケットの知見や、ネットワークを持つ支援機関・支援事業者を「支援パートナー」として活用することが求められます。
支援パートナーは中小企業庁が選出・公表し、中小企業が補助事業に申請する際の要件となります。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
・対象者:中小企業者等
・対象行為:海外市場での新商品・サービスの開発、販路拡大、ブランディング等
・補助率:2/3以内(海外展開を見据えた国内販路開拓計画3年目の場合は1/2以内)
成果目標
この事業では、事業終了5年後に採択事業者全体の労働生産性が20%向上することを目指します。また、提供された情報を活用した企業の割合が80%以上になることを目指しています。
事業イメージ
中小企業がJETROを通じて、現地のマーケティング会社から最新のニーズやトレンド情報を入手し、それを基に事業を展開することで、効果的な海外市場開拓を推進します。
中小企業庁:JAPANブランド育成支援事業
中小企業庁は、中小企業の海外展開を支援するために「JAPANブランド育成支援等事業」を実施しています。
この事業は、輸出向け新商品の開発に必要な生産設備の導入から、ブランディングやプロモーションまでの費用を一貫して補助するものです。
令和4年度からは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」の一部として統合され、全国展開や新規販路開拓にも対応します。この支援により、中小企業の域外需要の獲得を促進し、地域経済の活性化に貢献します。
農林水産省:農産物等海外販路開拓支援事業
農林水産省は、輸出に意欲的な農業者団体などが海外販路開拓のために実施する商談会や展示会などの活動を支援する「農産物等海外販路開拓支援事業」を行っています。
この事業の目的は、県産農林水産物やその加工品の輸出拡大を通じて、海外販路拡大や輸出環境整備を促進することです。
支援対象となる事業には、海外での商談会や展示会の開催、海外百貨店での出品や販売促進、海外市場での個別商談や市場調査、そして輸出に必要な情報収集などが含まれます。
また、農林水産省は、輸出に取り組む商社や卸業者と産地をマッチングさせる取り組みも行っており、海外の取引先を探す農業者をサポートしています。
この支援事業を活用することで、農業者団体は海外市場への進出を円滑に行うことができ、日本の農林水産物の国際競争力を高めることが期待されています。
2024年海外進出のトレンドとは?

多様化するASEAN市場への投資
2024年における海外進出のトレンドは、多様化するASEAN市場への投資が重要なポイントとなります。ASEANは、これまでの「生産拠点」としての魅力に加え、「消費市場」と「イノベーション拠点」としての価値を高めています。
特に、人口増加と購買力の向上が消費市場としての魅力を引き上げており、現地のニーズに応じた製品やサービスの提供が鍵となります。
進展する自動化技術
ASEAN各国で自動化技術の導入が進展しています。例えば、タイでは電気自動車(EV)関連の投資が増加しており、EVの生産拠点としての地位を強化しています。
しかし、人件費の上昇や人材不足が課題となっており、自動化技術の導入が必要とされています。インドネシアでも自動化技術の需要が高まっている一方で、現地の人件費が安価であるため、企業はコストと効果を慎重に検討しています。
地域別の消費市場動向
各国の消費市場の動向も注目すべきポイントです。タイでは、コロナ禍以降、ペットやキャンピング用品、在宅介護用品への需要が増加しています。
シンガポールでは、購買力は高いものの、市場の小ささと競争の激しさが課題です。ベトナムでは、物流やインフラ投資が活発であり、BtoB市場やBtoG市場の成長が期待されています。
イノベーション拠点としての成長
ASEANは、イノベーション拠点としても注目されています。タイではAIやデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のスタートアップが増加しており、シンガポールではスタートアップ・エコシステムが充実しています。
インドネシアでもフィンテックや脱炭素関連の協業が進んでおり、ベトナムでは高付加価値品の製造やR&D拠点の設立が見られます。
環境意識と持続可能なビジネス
ASEAN各国で環境意識が高まっており、持続可能なビジネスが求められています。タイやインドネシアでは脱炭素化が進められており、ベトナムでも省エネや再生可能エネルギーへの投資が増加しています。これらの環境対策は、現地での競争優位性を高めるための重要な要素となります。
2024年の海外進出におけるトレンドは、ASEAN市場への多様な投資、自動化技術の進展、消費市場の動向、イノベーション拠点としての成長、持続可能なビジネスの重要性に注目が集まります。企業はこれらのトレンドを踏まえ、戦略的に海外進出を進めることが求められます。
新たな補助金制度の導入の成果

新たな補助金制度の導入により、多くの企業が海外市場への進出を検討しています。国内経済の活性化や新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。
特に、成長が著しいアジア市場への進出を目指す企業にとっては、大きな追い風となるでしょう。補助金を活用することで企業はリスクを分散し、より安心して海外市場に挑戦することができます。
成功事例も多く見られ、これまでに多くの企業が補助金を利用して海外進出に成功しています。こうした成功事例を参考にすることで、他の企業も効果的な補助金活用方法を学ぶことができます。
新制度の導入背景
新しい補助金制度が導入された背景には、グローバル経済の変動や、国内市場の縮小が挙げられます。国内市場の成長が停滞する中で、多くの企業が新たな成長機会を求めて海外市場に目を向けています。特にアジア市場は成長が著しく、そこへの進出を目指す企業が増えています。
政府は、企業が海外市場での競争力を高めることを目的としており、これにより経済全体の成長を図っています。新興市場への進出を目指す企業に対しては、より手厚い支援が行われる予定です。企業はリスクを抑えつつ、新たな市場でのビジネスチャンスを掴むことができます。
過去の補助金と新制度の比較
過去の補助金制度と比べて、2024年の新制度は対象となる費用や支援の範囲が拡大しています。例えば、以前は主に製造業に限定されていた支援が、現在ではサービス業やIT業界など幅広い分野に広がっています。多くの企業が補助金を活用できるようになりました。
また、補助金の申請プロセスも簡略化され、より多くの企業が利用しやすくなっています。オンラインでの申請が可能となり、必要な書類の提出もデジタル化されるなど、手続きの負担が軽減されています。このような改善により、企業は迅速に補助金を申請し、活用することができます。
海外進出補助金の成功事例①:株式会社北毛久呂保
出典元:株式会社北毛久呂保
2010年にドバイでの展示会から海外進出を開始しました。こんにゃくの知名度の低さに苦戦しながらも、各国の反応を見て戦略を調整しました。
特にシンガポールではこんにゃく麺の人気が高く、現地の需要に応じた商品の提供が成功の鍵となりました。また、香港のスターバックスコーヒーで夏限定のこんにゃく麺が採用されるなど、具体的な成果も得られました。
この成功には、ジェトロの支援や、現地での適切なパートナーの存在が重要でした。何度も現地に足を運び、展示会や商談会での継続的な努力が実を結びました。また、自社の分析と戦略的なアプローチが欠かせませんでした。
この経験から言えることは、まず行動を起こすことの重要性です。ジェトロなどの支援機関を活用し、戦略的に進めることで、海外進出の成功率が高まることを実感しました。
海外進出補助金の成功事例②:丸善納谷商店
出典元:丸善納谷商店
丸善納谷商店は、北海道函館市で採れた真昆布を加工・販売する企業です。国内での昆布消費量減少に伴い、海外市場への進出を決意しました。
ジェトロの支援を受け、英国市場での展開を開始。ヴィーガン市場の拡大や動物性ブイヨンの代替としての昆布の需要を見込み、成功を収めました。
規制が厳しい欧州市場での壁を克服するため、ジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」などのサポートを活用し、専門家のアドバイスに従って適切な対策を講じました。2018年から英国への継続的な輸出が実現し、現地の信頼できるパートナー企業とも提携しました。
さらに、現地の食文化に昆布を浸透させるため、ロンドンでシェフ向けのセミナーを開催し、昆布の「うま味」を紹介。これにより、多くのシェフから関心を引き、今後の市場拡大に向けた意欲を高めました。
参照元:ジェトロ「海外展開成功事例集」
まとめ
2024年の最新の海外進出補助金情報をお届けしました。この記事では、新たに導入された補助金制度の成功事例も詳しく紹介しています。どのプログラムが自社に最適かを見極める手助けとなったことでしょう。
補助金を効果的に活用することで、企業は資金面での負担を軽減し、リスクを最小限に抑えつつ、海外市場での成功を目指すことができます。成功事例を通じて、具体的なイメージを持つことで、自身の企業に最適なプログラムを選び、実際に活用する際の参考となったと思います。
海外進出の成功には、これらの要素を総合的に活用することが不可欠です。この記事を通じて、企業の成長と国際的な成功を支援する一助となることを心から願っています。